着順と点差に応じた戦略

オーラスの打ち方


オーラスは特別な局

半荘のうち最も重要な局がオーラスである。

麻雀とは最終的な着順を競うゲームであり、オーラスでの結果は最終順位に直結するからだ。

東1局に満貫を和了ってもラスを引くこともあるが、オーラスでは1000点の和了でも確実に着順を上げられる場合がある。

オーラスが他の局と決定的に違うのがこの点である。

オーラスでやるべきこと、方針、手の作り方というのは、「着順」と「点差」によって開局前からかなりの部分が決まってしまう。

一方、その他の局では、それらは主に「自分の手の良し悪し」や「他家との押し引き」で決まるため、それらの状況に応じた押し引きが重要となる。

従って、オーラスにはオーラス専用の打ち方が存在し、この技術の巧拙により、大きく最終順位の違いが出ることになる。

競技麻雀や大会等1位以外に価値のない場合はオーラスの条件や他家の行動がかなり変わるため今回は検討しない。

通常のフリー雀荘やネット麻雀で、1つでも着順を上げる麻雀を前提とした戦術である。


オーラスの打ち方

オーラスの打ち方は「着順」と「点差」の把握から始まる。

自分の着順は何位か?全員との点差は何点か?

そして、配牌を確認する。

配牌は和了れそうか?何点の手まで作れそうか?

これらの確認により、まず開局当初に狙うべき手役と着順が定める。

配牌が無理なく速攻高打点を狙えるものであれば、特に難しい事を考える必要はない。

ただいつものとおり和了に向かえばよいだけだ。

問題は手が悪い場合や、手なりに打っては目標の打点に足りない場合である。

このような場合に便利な手役としては、スピードを求めるならタンヤオ、打点についてはチートイツがある。これらを狙えないか検討するのが定石なので覚えておくとよい。

巡目が進むにつれて、自手の進み具合や他家の動向を踏まえて軌道修正が必要になることもある。

最善策が難しくなったと判断できたら、次善の策に切り替える。

次善の策が難しくなったと判断できたら三番目の策、といった具合に、修正していく。

これらの技術は"接戦になればなるほど"重要性を増していく。

この判断が正確にできないと、多くの着順を取りこぼすことになる。

着順を取りこぼすというのは、リアル麻雀では順位ウマ分の金額を損することを意味する。

テンピンの麻雀ならおおむね1000〜2000円程度の損失になるが、これは非常に大きい。



着順と点差に応じた戦略


まず、覚えておいてほしいのが、同じ着順でも点差によって戦略はまるで変わるということだ。

1着目にも「安全な1着目」と「危険な1着目」が存在する。

「安全な1着目」は誰がどう打ってもそれほど差はでないが、「危険な1着目」は最悪の場合ラスに落ちるため、打ち方でものすごい差が生じる。

同様に、「安全な2着目」と「危険な2着目」、「安全な3着目」と「危険な3着目」が存在する。

ラス目に関しては戦略はほとんど「攻め」になるため、方針は単純で実力差はそれほど出ないが、点差が離れている場合には牌効率を変化させた打点を作る手作りの力が求められる。

いずれにしてもまずは自分の状況が「安全or危険な○着目」であることを認識することだ。



1着目の場合

オーラスで1着の場合、下位との点差により大きく方針が分かれる。

【安全な1着目】

@子への満貫放銃で逆転されない場合

このような場合は、まずは子へのサシコミを考える。

この状況では子の満貫ツモでも逆転されないため、この状況から逆転されるのはほぼ親の連荘だけとなる。従って、親の連荘を阻止する意味が大きくなる。他家の和了も利用することで、勝ちを決められる可能性は高くなる。

この点差までリードできることは少ないが、こういった局面に遭遇したら、親に連荘をさせないようにしつつ(絞る等)、子へのサシコミを常に考えること。

A子の満貫ツモで逆転されない場合

このような場合は、まず流局終了を考える。

自分の和了で終了すれば気持ちいいが、毎回それを狙うのは欲張りすぎ。

この状況から逆転されるケースは、無理攻めからの満貫放銃が最も多く、次が親の連荘だ。親以外の誰が和了しても、満貫以下であれば勝ちなのだから、そういった地味な勝ちパターンを有効に活用することが重要だ。

よって、自分の手がよほど早くないかぎりは、常に放銃しないことを考えて手を進める必要がある。

そして、子の手が5200に満たないと読めたらサシコミを狙っていく。

他家が一定以上のレベルの打ち手なら、接戦時に2着争いや3着争いが生じるので、サシコミのチャンスは相当多くなる。

南3局の段階から、他家同士の点差をなるべく近くするようにゲームメイキングできればなお良い。

これらの技術をフルに使えばかなりの割合で勝てる状況といえる。

【危険な1着目】

B全員と僅差で、流局ノーテンでも逆転されない場合

放銃するとトップから一気にラスになる麻雀で最も恐ろしい局面の一つ。

ルールによっては、実は下位と点差がある2着目よりもタチの悪い状況の場合も多々ある。

このような場合は、絶対に放銃してはいけない。自分以外全員テンパイでも勝ち、誰かの和了でも2着で終われるのが非常に大きい。

中盤以降は少しでも危険と感じたら最後まで徹底的にオリること。

ただし、序盤からオリては安牌が無くなるので、ある程度他家のテンパイ気配を感じ取れる力は必要となる。

このパターンが最も着順の取りこぼしが多いと思われる。

自分の点数が少ないため、感覚的にはつい攻めたくなるので注意が必要。

確かに、オーラスまでの局は僅差のトップ目なら、あってないようなものなので特に守りを意識する必要はないのだが、オーラスだけは別で、鉄壁に守らなければならない。

冷静に考えればこの切り替えは当然なのだが、実戦でズバッと意識を切り替えるのは難しい。

このように守備的戦略が最適になることから、面白いことに、順位推移では「オーラスで全員と僅差のラス目」のほうが結果的に"トップ率"だけ高くなるのだ。

C全員と僅差で、流局ノーテンで逆転される場合

流局時に1人に逆転される場合、放銃による4位転落リスクを考慮するとBと同様に専守防衛の構えをとるべき。

2人以上に逆転される場合は、守備的にケイテン狙いを本線とし、あわよくば和了するのを目標にする。

このため、危険なリーチをかけなくてよい平和手や鳴き手(1フーロor序盤の2フーロでテンパイが理想)が中心になる。

全員に逆転される場合には全力で攻める。

ただし、2軒リーチなどで振り合ってくれそうな局面であれば守った方が得になる場面もありそうだ。

Dその他の場合は状況に応じて判断していく。

一気にマスターするのは難しいが、トップ目の格言を覚えておくと便利である。

「トップ目は(判断に)迷ったら守備的に。」

2着目の場合

1着目との点差、下位との点差、自分の手の良さを総合して判断していく。

@1着目との点差が自手で"無理なく"狙える範囲にある場合

和了での逆転を狙っていく。

A3着目、4着目との点差が僅差で流局でも逆転されない場合

逆転を狙ってラスに落ちやすい危ない局面。

守備的に進めて2着でやむなしとするべき。

Bその他の場合、@Aが複合している場合

配牌とツモに応じて最終目標順位を考えながら打つ。

また、麻雀のルールによっても狙いは変わる。

一般的なフリールールのようにトップ目やチップの価値が大きい場合は攻め気味に、天鳳のように完全順位制でラス回避が重要な場合は守備的に打つのが良い。



3着目の場合

上位との点差、ラスとの点差、自分の手の良さを総合して判断していく。

3着を確定させる和了はフリールールではあまり得ではない。(得な局面もあるが、出現頻度は少ない上に、仮に得な場合でも他家から心理的非難を浴びる可能性が高いので、実戦的には損かもしれない。和了するならチップ狙いくらいの理由は欲しい。)

しかしながら、ラス回避が重要な天鳳のルールでは最も重要な技術の一つだ。

着順を上げる可能性を犠牲にしてもラス回避に重点を置くのが正解となる。

和了を目指す点では同じだが、フリーでは打点を狙い、天鳳ではスピードを最優先するところが大きく異なる。

この点こそが、フリー強者がしばしば天鳳で苦戦する原因である。



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