負い目をなくし、立場をあげていく

負い目は"負けの目"


麻雀のような勝負事では、小さな負い目が大きく足を引っ張ることがある。

よくあるのは、牌を取るときに他家のツモ牌をこぼして見せてしまい、その牌が自分の和了牌でも、非難を恐れて和了れないというもの。

これはあまりにもよくあるケースためか、フリー雀荘では見せ牌では和了れないというルールがあることが多い。

他にも、オーラスに点数計算ができないことで安手で和了りずらいというケースもある。

3900点で逆転できるのに、点数計算がわからないので、逆転できなかったらどうしようと不安になり、足りなかったら他家から「そんな和了をするんじゃねーよ」いう非難を浴びるんじゃないかと恐れて、一応満貫以上の手を作ってしまうというケースだ。

似たようなケースで、2着確定和了や3着確定和了の問題はよく起こる。

いつもトップ狙いができればそれにこしたことは無いが、点差が離れすぎている場合などには2着や3着で妥協するほうが得なことも多い。

しかし、トップ狙いの人からすれば、「おめーそんな手で和了ってんじゃねーよ」という感情が沸いてもおかしくない。

最近は落ち着いてきた感もあるが、モロ引っ掛けリーチへや地獄タンキの非難もよく問題になっている。

その名残で、大手系列のフリー雀荘ではメンバーのモロヒリーチや地獄タンキは禁止されている。

ションパイや染め色を打つと「場を荒らすな」という決まり文句もよく聞かれる。

メンツそのものに大きく影響を受けることもある。接待麻雀ではやはり気をつかうし、目上の人がどんな麻雀が嫌いかによるが、打牌や和了になんらかの制限がかかってくる。

こういった負い目等の問題について対策を講じておかないと、雀力が十分に発揮できないことになる。



行動を制限する立場システム


やや難しい話をすると、"どんな行動がどれくらい許されるか"という問題は、人によって異なる。

そして、その差はその人の立場によって主に決定される。

負い目の効果もこの立場システムによって説明される。

負い目というのは立場を短期間補正するものだと考えればよい。

部下がどれだけ優秀でも、基本的には先輩・上司という立場を持った人間に意見することは余程の条件が整わないと許されない。

職場や部活動といった組織の新人は発言権が無かったり少なかったりする。

学級の虐められっ子は、いわゆるスクールカースト上位の生徒に対して常に妥協した対応をとらされる。

その条件はよくよく考えると、1歳かそこらの年齢や在籍年数の差だったりして、本当に他愛のないものであるが、この上下関係のシステムはかなり強固にできている。

このシステムが強固な理由は「新人ー上司」や「後輩ー先輩」の当事者同士だけでなく、同一組織の人間全員が協力して作り上げている点が大きい。

つまり、立場の弱い新人や後輩同士でも相互監視が働いている。新人Aが上司や先輩に歯向かおうものなら、その上司や先輩と新人Bや新人Cが束になってAに制裁を加えるということだ。

この「立場システム」は"全ての"人間関係に適用される。あなたがそれを意識していようがいまいが関係ない。

それは、当然、あなたがいつも麻雀をするメンツの関係にも当てはまる。

お互いにその立場に応じて相手の行動を制限しあっているに違いないのだ。

負い目を回避せよ


今日からすぐにできる速攻性のある対策は、負い目をなくしていくということだ。

あなたのまわりにも、必ず集合時間よりかなり早く来る人がいて不思議に思ったことはないだろうか?

実はこの人たちは、対人関係における負い目をなくしてその後の会話等のリズムを作っているのである。(もちろん、既に習慣になっていて意識もしていないと思うが。)

あなたが改善したい状況で、どんな負い目を感じているか思い出してみるといい。

麻雀であれば、集合時間を守る、牌をこぼさない、ルールを覚える、点数を覚える、長考しない、借金をしない、メンツと良好な関係を作るといったことが少なくともできるはずだ。

これらの行動はほぼ100%の人から非難されてもしょうがない行動だと思われていると同時に、これを守ったところで不利になるわけではないからだ。

立場を上げて行動範囲を確保せよ


さらに踏み込んで、先ほど出てきたモロ引っ掛けや地獄タンキの問題、2着・3着確定和了の問題をどうすればよいか。

これはルールの範囲内であり、誰が見ても悪い行為というわけではない。そして、これらを封じられることで麻雀で不利になってしまう。

これくらい微妙な問題になると、立場を上げることで回避できる場合が多くなる。

文句をつける側も完全に自分が正しいと思っていないことが多く、相手と自分の立場を見て言っているからだ。

こういうずる賢い処世術に長けた人間はたくさんいるので気をつけておかなくてはいけない。

麻雀で立場を上げるには、一番効果があるのは麻雀が強い人だと"思われる"ことだ。

実際に強くなくてもいい。最も肝心なのはその立場システムを構成する人たちの群れから"強いと思われる"ことが大事なのだ。(サルと同じ 笑)

まあ、弱い人が強いと思われることはまずないので、実際にはそれなりの実力はつけなければハッタリも効かないだろう。

あまりオススメはしないが、もっとブラックな方法としては、メンツに金を貸して負い目を作っておいたり、自分より元々立場の弱い人間を多く入れておいたり(特にイジリたおせる相手が卓上にいると他家に対しても効果てきめん)。

どうしても勝ちたいという銭ゲバな人にしかオススメしないが・・

また、立場は(日常的に会う頻度が高い人ほど)固定化するので、その点にも注意が必要だ。



有利な空間ができても長期間溺れない


実社会と同様で、麻雀の強さというのは、麻雀が上手いかどうかよりも、むしろどう立場を作るかのほうが勝利に直結しているのだということ。

もちろん最低限、強い部類の実力は必要だが、それから先は細かい技術よりも立場や負い目の無さというのが大事だということ。

雀荘の強いといわれる常連や、プロの実力といわれるものも、麻雀の技術よりその集団での立場というものが影響しているように見える。

最近だと麻雀業界の中では、森山プロ麻雀連盟会長なんかを見ているとそれがよくわかる。

棋譜を見ても、打っているところを見ても、成績を見ても実力には?がつくのに、気に入らない若手にはいいたい放題。しかし連盟という組織の中ではトップになるほど立場があるという人。

雀荘についても、私はこれまで50軒以上の雀荘に入ってきたが、小規模な雀荘ほど「主」のような常連がいるものだ。

「主」は大体態度が横柄で、自分がその空間で最も力が強いと自負しているように見える。実際、雀力もメンバーを含むメンツの中では一番強いと思われるケースも多い。

麻雀というゲームは同等レベルの人が戦えば、必ず負ける日がある。

レベルが低い雀荘だと、「主」はボロ負けしないですんできたのかもしれないが、比較的新参者の私が卓に入りたまたま「主」がボロ負けすると卓外戦術での攻撃が始まることが多かった。

攻撃のパターンで多かったのは、仲の良いメンバーや常連同士に話しかけることでの遠まわしの和了り批判や、点棒をわざと投げるなどの行動、自分の番にため息をついたりこて返しをして早く切れよとせかす行動等。

自分の力に自信のある人であれば相手の強さやたまの負けを楽しむ余裕もあると思うのだが、多くの雀荘の主にとっては、その群れで築きあげた立場を維持することのほうが大事なことのようである。自分を脅かす異物は手段を問わず排除というわけだ。

このことからいえるのは、強い立場を得れば、確かにその群れの人たちから強いといわれることはできるが、それで満足していると「井の中の蛙」になってしまうということ。まあ、それで十分だ、大きなお世話といわれるかもしれないが、彼らを見てきてみみっちいなと思ったので書いておく。

自分が麻雀でどれくらい強いかというのは、小さな群れの中ではわからないということ。結果が出せるようになってもこれは忘れずにおきたい。

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